「お母さん……?」
顔をのぞかせたけれど、そこも明かりがついていなかった。
時計の針は七時を指している。そろそろ仕事先から帰ってきていい時刻だ。
何かあったのかな。不安になってきた。
けれども、たまたま遅くなっただけかもしれない。そのうち連絡がくるかも。
わたしはソファにすわって、スマートフォンとにらめっこした。ほどなく、電話がかかってきた。「お母さん」の文字が画面に表示される。
わたしはすぐ電話にでた。
「もしもし? お母さん? どうしたの――――」
すると、最後まで言いおわらないうちに、お母さんの声がかぶさってきた。
「あっ、理子ちゃん!? 大変よ! 野々村さんとこのふたごちゃんたちが、うちの病院に運ばれてきたの!」
「え?」
一瞬、なんて言われたのかわからなかった。
「ふたごちゃんたちって、樹くんと楓くん?」