追い打ちをかけるようなその事実は、なぜだかわたしを完全に打ちのめした。
崖っぷちに立たされているような気がした。
うつむいて、自分の足もとに視線を落とす。
「こ、告白されたのは本当だけど、まだ返事はしてなくて……。大事なことだから、ゆっくり考えようって思ってるとこ……」
わたしは、つっかえつっかえ説明した。
「でもね、つきあうっていっても、本当はよくわかってなくて。つきあうってなんだろう。今までと、どうちがうのかなって――」
こんな説明でだいじょうぶかな。
「おまえ、何言ってんだ」って、きっとあきれるだろうな。
けど、楓くんの反応は、わたしの予想とちがっていた。
最後まで説明が終わらないうちに、
「なあ。つきあうと、こういうことするんだぜ。知ってる?」
と、片手を伸ばしてきたんだ。
いきなり手をつかまれてしまったわたしは、楓くんのほうへグイッと引きよせられた。
