超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 追い打ちをかけるようなその事実は、なぜだかわたしを完全に打ちのめした。

 崖っぷちに立たされているような気がした。

 うつむいて、自分の足もとに視線を落とす。

「こ、告白されたのは本当だけど、まだ返事はしてなくて……。大事なことだから、ゆっくり考えようって思ってるとこ……」

 わたしは、つっかえつっかえ説明した。

「でもね、つきあうっていっても、本当はよくわかってなくて。つきあうってなんだろう。今までと、どうちがうのかなって――」

 こんな説明でだいじょうぶかな。

「おまえ、何言ってんだ」って、きっとあきれるだろうな。

 けど、楓くんの反応は、わたしの予想とちがっていた。

 最後まで説明が終わらないうちに、

「なあ。つきあうと、こういうことするんだぜ。知ってる?」

 と、片手を伸ばしてきたんだ。

 いきなり手をつかまれてしまったわたしは、楓くんのほうへグイッと引きよせられた。