超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)




『僕は理子が好きだよ。幼なじみとしてだけじゃなく、たったひとりの大切な女の子としてね。ちっとも気づいてなかっただろ?』



 樹くんの告白の言葉を思いだしたとたん、胸の奥がキュッとなった。

 どうして、あのころのままでいられないんだろうなあ……。

 とってもしあわせだったのに。

 男の子も女の子もなかったのに。

 神さまって、ほんとに意地悪だ。

「かえ、でー!」

「何やってるんだよ!」

「女子にうけようとしやがって!」

 気づくと楓くんは、仲間たちに怒られていた。

 フフッ、じゃれあっているみたい。

 プロレスごっこで首をしめられるようなことをされているのに、楓くんはお日さまみたいに笑っている。

「わあっ、かんべんしろって!」

 わたしが会いたいと思った、とびっきりのなつかしい笑顔だった。

 今では、めったに見せてくれなくなったけれど。