超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 樹くんのせいだなんて、これっぽっちも思っていないのに……。

 うれしくなって、樹くんのやさしい笑顔を思い浮かべる。

 ふと思った。

 わたし、やっぱり樹くんが好き、なのかな……?

 うれしかったってことは、そういう意味なんだよね……?

 もの思いにふけりそうになったとき。

 優雨ちゃんは申し訳なさそうにポリポリほっぺをひっかいた。

「じつはあたし、これから合唱部の活動があるんだ。コンクールが近いから、帰るのも遅くなっちゃいそうで……。まかせてって言っときながら、いっしょに帰れなくてゴメンね」

 わたしを拝むようにパシッと手をあわせる。

「あやまらないで! だいじょうぶだよ、ひとりで帰れるからっ」

「だいじょうぶ?」

「うん、だいじょうぶ。優雨ちゃん、練習がんばって!」

「ほんとにゴメンね。じゃ、また明日ね」

 あやまりながら教室を出ていく優雨ちゃん。