けれども、わたしの頭は余裕なんかない。
樹くんの告白でぎゅうぎゅうだった。
『僕の彼女になってくれるね?』
わたしはどうしたいんだろう。
なんですぐに返事ができなかったんだろう。
そのとき、心細くなっていた心に優雨ちゃんの笑顔が浮かんだ。
「そうだ、優雨ちゃん!」
優雨ちゃんに相談しよう。
わたしはスマートフォンを取りだし、メッセージアプリをひらいた。
【樹くんに告白されたの。つきあってほしいって。どうしよう?】
祈る思いで指を動かす。
すると、つたないメッセージに、すぐ既読がついた。つづいてピロンと音が鳴る。
【ついに来ちゃった?】
わたしの抱えている不安とは真逆な、あっけらかんとした明るさだった。
でも、
【いつかはこうなるって思ってたよ!】
という、次に来たメッセージを目にして、
「えっ、ええっ!?」
スマートフォンを落っことしそうになっちゃった。
