超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 考えごとをしているのかな。

 怒っているのかどうか、見分けがつかない樹くんの顔。

 ただ、静かにまっすぐわたしを見つめている。

 どのくらい、見つめあっていたんだろう。

「あのさ、理子」

 樹くんはフッと笑った。

 まぶしいものを見るみたいに、アーモンドの形をした目が細くなる。



「僕は理子が好きだよ。幼なじみとしてだけじゃなく、たったひとりの大切な女の子としてね。ちっとも気づいていなかっただろ?」



 えっ……。



 ポツンと雨のしずくがひとつぶ、頬にあたった。

 しずくは、あとからあとから落ちてくる。



「頼むよ、僕から離れようとしないで」



 わたしは樹くんに抱きしめられていた。