超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 ドキッとした。

 樹くんが自分のことを「僕」じゃなく「おれ」と言うときは、本気で怒っているときだけだったから。

 その証拠に、樹くんの口もとから笑いが消えている。

 わたし、樹くんを怒らせちゃったの?

 え、どうして?

「そそそそんなことっ、メーワクだなんてっ」

 思わずうろたえて、あからさまに声がうわずってしまった。

「本当?」

 樹くんがたずねる。

「うん、本当!」

 わたしはコクコクと上下に首をふった。

「……じゃあ、僕たちを嫌ってないんだね? なのに?」

 今度は、ちょっと困り顔な樹くん。一人称も「おれ」から「僕」に変わっている。

 はた、と思った。

 ひょっとしたら、ゴカイされているだけかも……?

 きっと、「三人で登校するのをやめよう」って、わたしが急に言いだしたからだ。

 わたしは説明しなくちゃ、と焦った。

「嫌ってなんかないよ、ふたりとも大好きだよっ。だって、大切な幼なじみだもん! わたしがふたりを嫌うことなんて、ぜったいないよっ。今までも、これから先だって……」