超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


「まるで子どものケンカみたい……」

 そういうケンカ、昔も見たことがあるよ。

 あれは確か、オモチャのとりあいでケンカになったときだ。美代子おばさんに「手でぶったらいけません!」と諭されて以来、おたがいの肩をぶつけあうようになったんだ。手をださなきゃいいだろうって。

 樹くんは顔を赤らめた。

「だから言いたくなかったんだよ、僕も楓も」

 わたしったら、そうとは知らずに泣いたりして。

「涙を返して」って言いたくなっちゃうくらい。

「で、男どうしの問題とか言ってごまかしているうちに、だんだんその気になってきて、結局、本当に意地の張り合いみたいになっちゃってさ。言霊ってホントにあるんだな」

 樹くんは苦笑いを浮かべた。

 なあんだ、そうだったんだ。

「男の子って不思議。ヘンなところにこだわるんだね」

「ホントだな」

 樹くんとわたしはクスクス笑った。



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