超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


「じゃあ、じゃあ、さっき、メッセージをくれたのは楓くんじゃなくて――」

「そう、送ったのは僕だ」

 だから、あのとき違和感を覚えたんだ……。

「そうしたら楓くんは? 楓くんは、どこにいるの?」

 樹くんは頭を横にふった。

「僕にもわからない……! いや、たぶん、今……僕のかわりに処置室に……」

 とたんに、ぐにゃりと視界がななめにゆがんだ。

 わたしのまわりの、すべてのものの境界線があいまいになっていく。

 そして、

「いやーっ、いやっ」

 こらえていた気持ちが一気に爆発してしまった。



 もう楓くんに会えないの?

 まだ「好き」って伝えていないのに。



 おねがい、だれでもいい。

 ウソだと言って――――!