「じゃあ、じゃあ、さっき、メッセージをくれたのは楓くんじゃなくて――」
「そう、送ったのは僕だ」
だから、あのとき違和感を覚えたんだ……。
「そうしたら楓くんは? 楓くんは、どこにいるの?」
樹くんは頭を横にふった。
「僕にもわからない……! いや、たぶん、今……僕のかわりに処置室に……」
とたんに、ぐにゃりと視界がななめにゆがんだ。
わたしのまわりの、すべてのものの境界線があいまいになっていく。
そして、
「いやーっ、いやっ」
こらえていた気持ちが一気に爆発してしまった。
もう楓くんに会えないの?
まだ「好き」って伝えていないのに。
おねがい、だれでもいい。
ウソだと言って――――!
