やだやだ、楓くんの視線、すごく気になっちゃう。

 胸までドキドキしてきちゃった。

 あんまり、見ないでほしいんだけどな。

「う、うん、おいしーよ……」

 楓くんは、ちょっぴり首をかしげながら、目をパチッと見ひらいた。

「どうした? 口が止まってんぞ」

「楓くんも、ひとくち食べてみる……?」

 あせりながら聞いてみると。

「おれは、こっちでいーよ」

 ひええっ!

 楓くんは、わたしの口の横についたクリームを指でぬぐったと思ったら、それをペロッとなめたんだ!

「!」

 恥ずかしさのあまり、かああっとからだが熱くなった。

「しっ、信じらんない! 楓くんのバカ!!」

 ポカポカ彼の胸をたたく。

「わっ、アイスクリームが服につく! やめろってー!」

 ぎょっとした楓くんの顔がおかしくて、わたしは「プッ」と吹きだした。

「楓くんったら、へっ! ヘンな顔っ」

「なんだと!」