えっ。
トクン、と鼓動が鳴った。
ウソ。
今なんて?
とつぜんすぎて動けずにいたら、楓くんの胸に引きよせられた。
「こんなときに、こんな姿で言うの、ひきょうだってわかってる。けど、言わずにいられねー。おれだって、ずっと前からおまえが好きだった」
心臓がこわれそうだった。
これって。これって!
わたし、告白されてるの?
好きなひとに?
わたしは目を見はって、楓くんを見つめつづけた。
楓くんの手がわたしの頭のうしろにまわって、髪をキュッとつかむ。
「アニキじゃなくて、おれをえらんでくれ」
まっすぐなまなざしに、胸がドキドキした。
「理子がいてくれたら、もう二度とまちがえないから……」
わたしも楓くんが好き。
堰を切ったように、どんどん気持ちがあふれだしていった。
うれし涙がポロポロと頬をつたう。
でも、でも。
