けど、自分でなんとなく想像するのと、実際に好きなひとの口から聞かされるとじゃ、衝撃の大きさはぜんぜんちがう。
涙がでそうになるのを、わたしは必死にガマンした。
「そ、それで……?」
答えを聞くのがこわかったけれど、おそるおそるたずねた。
「もちろん、断った」
えっ。
「断った、の……?」
「ああ、でも、あきらめるかわりにデートしてほしいって頼まれたんだよ。最初はふたりで出かける予定だったけど、なんとかサッカー部のヤツらも巻きこんで、こんなふうになった。アニキは、おれに協力してるだけ」
わたしはポカンと口が開きっぱなしだった。
「それならそうと、どうして話してくれなかったの? 前もって話してくれていたら……」
あんなにショックを受けることもなかったよ。
うっ、と、うらみがましい目で見ると。
「なんて顔してんだよ」
おでこをパチンと指で弾かれた。
「いた~!」
