キラキラ光る水面がまぶしい。光のかけらが踊っている。
あまりのまぶしさに顔をしかめると、後藤さんの姿が小さな粒のように、目のなかに飛びこんできた。
後藤さんは、ひとりじゃなかった。
ベンチにすわって楽しそうにはしゃぐ彼女のかたわらに、楓くんがいて。
ふたりはまるでカップルみたいに寄りそっていたんだ。
ズキンと胸の奥に痛みが走った。
楓くん、楓くんが……!
ウソ。
イヤだよ、そんなのイヤ。
わたし以外の子を、やさしい目で見つめないで!
「か、楓く――」
思わず声をかけて出ていこうとしたら。
「理子!」
ガシッとうでをつかまれる。
ふり返ると、そこにこわい顔をした樹くんがいた。
「い、樹く……ん……?」
「理子、シッカリしろ。おれは楓だ! 向こうにいるのが樹! だろ?」
「え……」
そんなの信じられなかった。
