超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 キラキラ光る水面がまぶしい。光のかけらが踊っている。

 あまりのまぶしさに顔をしかめると、後藤さんの姿が小さな粒のように、目のなかに飛びこんできた。

 後藤さんは、ひとりじゃなかった。

 ベンチにすわって楽しそうにはしゃぐ彼女のかたわらに、楓くんがいて。

 ふたりはまるでカップルみたいに寄りそっていたんだ。

 ズキンと胸の奥に痛みが走った。



 楓くん、楓くんが……!



 ウソ。

 イヤだよ、そんなのイヤ。

 わたし以外の子を、やさしい目で見つめないで!



「か、楓く――」

 思わず声をかけて出ていこうとしたら。

「理子!」

 ガシッとうでをつかまれる。

 ふり返ると、そこにこわい顔をした樹くんがいた。

「い、樹く……ん……?」

「理子、シッカリしろ。おれは楓だ! 向こうにいるのが樹! だろ?」

「え……」

 そんなの信じられなかった。