「へえー」
楓くんがわたしをジッと見ていた。
ん? なんだろう?
「なあに、楓くん?」
と、ふり向いたとたん、楓くんはなぜかうろたえて視線をそらした。
「べっ、べつに! なんでもねーよ」
「?」
不思議に思って首をかしげていると。
「楓のヤツ、見とれているんだよ。理子があんまりかわいいから」
樹くんがクスクス笑いだす。
わたしは「えっ」と固まってしまった。
あ、そっか。わたしもいつもと格好がちがうから……!
まさかの楓くんの反応に、恥ずかしくなってしまった。
じつは前もってネットで調べておいたんだ。動物園に行くとき、どんな感じの服装がいいかなって。今日はサッカー部のひとたちもいっしょだから、恥ずかしくない格好で行かないとって思っただけで……。
わたしがもじもじしていると。
