荷物の確認が終わらないうちに、ピンポーンとインターフォンが鳴ってしまう。
ジャスト八時。
うわー、約束の時間ピッタリだ!
「迎えが来たぞ、理子」
リビングで朝刊を読んでいたお父さんからも急かされちゃった。
「うん、わかってる! いってきまーす!」
ダダッと走っていって玄関のドアを押しあけると、私服姿のふたりがそろっていた。
シンプルできれいめなコーディネートって言うのかな? 樹くんも楓くんもさわやかで夏らしいスタイルだった。
「ふたりとも今日はずいぶんオシャレだね。どうしたの?」
アイサツするのも忘れるくらいびっくりした。
「みんなで動物園に遊びにいくって言ったら、母さんがはりきっちゃって……」
樹くんは、ちょっと照れくさそうに笑った。
「おれはジャージでいいって言ったのにさー」
楓くんは不満顔だ。