さびしそうにしていた楓くんの横顔を思いかえしたとたん、わたしは自分の選択に自信がなくなってきた。

「べ、べつに……よけいなことすんじゃねーよ」

 楓くんは真っ赤にさせた顔をプイッとそむけている。

 無理をしているって、すぐわかった。こうなったら、前言撤回。

 やめるのやめた!

「樹くん、わたし行く! 楓くんといっしょに参加するよ!」

「わっ、バカ理子! おまえ何を言ってるんだ! おれたちのことがバレたらどーすんだよ!」

「だいじょうぶだよ、今日だってバレなかったんだし!」