超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


「ありがとう、理子。がんばれたのは、理子のおかげだよ。応援、聞こえた」

 樹くんもわたしに笑みを返すと、視線をわたしのうしろにやった。

 ドキッ。こちらに近づく靴の音。楓くんだ。

「樹、やったな。さすが、おれのアニキだ」

 わたしの横に立って、楓くんは素知らぬ顔で話しかける。

「まあね、やるだけのことはやったよ。これで文句はないだろ?」

「おう、まあな」

 まるで楓くんがふたりいるみたい……。

 ふたりとも同じ表情をしていた。満足そうな、晴れやかな笑顔だった。

 わたしは内心ホッとしていた。

 よかった。これ以上、追求されることはないみたい。

 わたしも作り笑いをしていると。

「あっ、そうだ」

 何かを思いだしたかのように、樹くんは声をあげた。