超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


「理子、どうした?」

 楓くんの声が、わたしの上に落ちてくる。

「わたし、おかしいの。見ているのがこわいんだ。楓くんの応援にいったときは、こんなふうに思ったことなんて、いちどもなかったのに……!」

 なぜだか入院していたときの、頭に包帯が巻かれベッドで眠っていたふたりの姿がちらついた。こわくて、あまりにもこわくて、心臓がドキドキする。

 あのときの不安がよみがえってきそう。

 わたしは楓くんのうでをさがした。

「樹くん、大ケガをしたらどうしよう! また意識を失ったら……!」

 今度こそ目覚めなかったら?

「信じろ!」

 楓くんは、力強くわたしの肩をグッと抱きよせた。

「アニキならだいじょうぶだ。好きなんだろ? 信じろよ。おれは信じる」

 わたしをとらえた楓くんの目は、やさしく笑っていた。

 楓くんの手は、わたしをシッカリと支えてくれていた。