「もち、あたしは理子ちゃんの親友だよ。でも、自分で自分のことを『わたしみたいなのが』なんて、卑屈になっちゃダメ。あたし悲しくなっちゃう。理子ちゃんが大好きなのに」
優雨ちゃんは変わらず明るい表情だった。
けれど、その大きな瞳には陰が差している。
本当にわたしのことを思って悲しんでいるんだ……。
まちがいに気づいたわたしは、「ゴメンね!」あたふたとあやまった。
「そんなつもりじゃなかったの。わたし、ただ……」
「うん、わかってる。理子ちゃんは理子ちゃんなりに考えたんだよね? けど、あたしも親友としてのひいき目なんかで言ってるんじゃないよ。ホントだよ。これだけは信じて」
「うん、信じる!」
優雨ちゃんの気持ちがうれしくて、深くうなずく。
「よかった~。あ、話がずれちゃったね。元に戻そう」
ニコッと笑ったので、優雨ちゃんの前髪がかすかに揺れた。
背後でざわざわと教室のざわめきがよみがえる。
そのざわめきの中、
「あたしね、安心するんだ」
優雨ちゃんがポツリと言った。
「え、安心?」
「そう、安心するの。理子ちゃんたち三人がいっしょにいると!」
