超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 樹くんがお茶目にウインクしてきたので、わたしもポッと赤くなってしまった。

 なんて返事したらいいかわかんない……。

「え、えーと……」

 困って指をもじもじさせていると。

「アニキ! どさくさにまぎれて何言ってんだ」

 楓くんが助け船をだしてくれた。

「ほーんと、ちゃっかりしているよな。おれになってから性格が変わったんじゃねー?」

 楓くんはヒジで、樹くんの背中をこづいた。

「僕がちゃっかりしているのは、おまえのせいでもあるんだぞ。楓らしくふるまっている影響がまちがいなくあるだろうな」

 樹くんは、楓くんのように口の端をあげてニヤッと笑った。

「なんだとー! だったら、勉強してもおれの頭がちっともよくならねーのは、どういうわけだよ! こないだだって先生に言いわけするの大変だったんだからなっ」

「さあー? 単なる努力不足なだけと思うけど」

 ふたりの言い合いがはじまった。