超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


「まあな、おれの教え方がいーから」

 楓くんはいばってそう言った。でも、耳たぶが少し赤くなっていた。

 フフッ、楓くんも照れているんだ!

 わたしもふたりといっしょに笑おうとしたけれど。

 あっ、すぐに許しちゃダメだった!

 あわてて頬を引きしめ、口をへの字の形にする。

「それはそうと、どうして呼びつけたの? 何をしたいの? 言っとくけど、わたし怒っているんだよ」

 質問をぶつけたら、楓くんがフンと鼻先で笑った。

「ふたりだとディフェンスをはさんだ練習ができねーだろ。だから、おまえをよんだってわけ。かかしみたいにボンヤリ立っているだけでも、いねーよりマシだからな」

「はあ? 何それ!」

 また、わたしを怒らせるようなことを言ってる。

 ぜんぜん反省してないじゃーん!

 わたしが反論しようと口をひらきかけたら、「まあまあ」と樹くんがわたしたちのあいだに入ってきた。