超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 ほえー、と目を丸くしていたら、楓くんがわたしに気づいた。

「おせーぞ、理子。何やってたんだよ」

「理子!」

 樹くんもわたしをふり向いて、うれしそうな笑みになる。

「やっぱ来たか。おれの言ったとおりだろ、アニキ! 理子は必ず来るって」

 自信たっぷりな楓くんの態度。

 なんてふてぶてしいんだろう。

 あんまりくやしかったから、

「楓くん、樹くんの顔でらんぼうな言い方しないで!」

 あっかんべーをやってから、わたしはふたりのところへ走っていった。

「うっせー!」

 わたしに文句を言う楓くんを無視して、樹くんに笑いかけた。

「樹くん、ちょっとしか見てなかったけど、すごく上手になったってわかったよ」

 すると、樹くんは照れくさそうに笑った。

「まだパスしか練習してないけどね。楓のおかげだよ。ひとりで練習するより、断然よかった。コツを教えてくれるから」