心の中がポッとあたたかくなった。
樹くんは、やさしい。とってもやさしい。
わたしも言いすぎちゃったよね、きっと……。
しばらくシュンと落ちこんでからハッとした。
もう少しで、危うく情に流されるところだった!
あー、もう! 理子のバカバカ!
わたしがこうなるって見越して、優雨ちゃんが忠告してくれたのに。
次は、流されないぞ。シッカリ気を引きしめ、楓くんのメッセージも確認すると。
「え?」
わたしは自分の目をうたがった。
【六時に富士山公園に来い】
楓くんらしい、命令口調なメッセージだったんだ。
ガックリ。スマホを持った両手から、力が抜けていく。
そこに「反省」の文字はなかった。
はあー。ため息がでちゃう。
やっぱり楓くんは反省してないんだな。樹くんとぜんぜんちがうよ。
そのうえ、ひとを呼びつけるなんて、どういうつもり?
