「理子ちゃん、シッカリして!」

 そんなわたしの背中を、優雨ちゃんはカツを入れるように、パシパシ軽くたたいた。

「あたしたち親友でしょ! そもそも疑う気なんてさらさらないよっ。やっぱ、いまの訂正! 理子ちゃんの言うことなら100パーセント信じる!」

 うれしかった。

 暗い夜道に、ぱあっと明かりが灯ったような気がした。

「優雨ちゃん、ありがとう……わたしね、こんなことになってこわかったの……もう、どうしたらいいかわからなくて……」

 じわっと涙がぶり返し、また泣けてきてしまう。

「うんうん、ひとりでよくがんばったね。理子ちゃん、えらいよ」

 優雨ちゃんはやさしくそう言って、わたしの背中をさすってくれた。

「これからは、ひとりで悩んでないで、あたしに言ってね。力になるよ」

 ああ、わたし、だれかに話したかったんだな。

 悩みを聞いてほしかったんだ。

 その相手が親友の優雨ちゃんでよかった。

 樹くんと楓くんとも、こんなふうに話せたらよかったのにな……。