「やっぱり、三人いっしょに登校しないほうがいいかな……」
ふうー、とため息をこぼしたら。
「なんで?」
優雨ちゃんの目がパッチリと見ひらいた。
「なんで、って……」
なぜだか、うしろめたさがこみあげてきて、いけないことをしようとしているような気分になってきた。
でも、これはずっと前から考えてきたこと。
いつかは実行しなくちゃ、って思っていることなんだ。
心細くなりながらも、わたしは口をひらいた。
「だって、わたしみたいなのが樹くんと楓くんといっしょにいるなんて、おかしいって思うんだ。つりあいがとれてないっていうか、ふたりにもメーワクかけちゃってるし。だから、わたしが離れれば、今朝みたいなことも減るかもって――」
「ええーっ!」
優雨ちゃんの声のトーンが高くなった。
「あたしはぜんぜん思わないよ。ちっともおかしくなんかないよ。だって三人は小っちゃいころからの幼なじみだもん。仲よしなのはあたりまえじゃん!」
でも、みんながみんな、そういうふうに思ってくれるわけじゃないから。
「優雨ちゃんは、わたしのいちばんの親友だもん……」
わたしがそう言うと、優雨ちゃんは困ったように笑った。