「よくわかんない」
優雨ちゃんがわたしを抱きとめたまま答える。
「けど、ただごとじゃないと思う。ねっ、教室のカギおねがいしていい? あたし、保健室に連れていってくるから。ホントごめんね」
「いいよ、まかせて。はやくつれていってあげな」
「ありがとう、都築くん。理子ちゃん、歩ける?」
優雨ちゃんに肩を抱きかかえられて、わたしは保健室へと向かった。
*
自分の中に積もり積もった感情を、涙といっしょに思いっきりはきだしてしまったからだろう。泣いたらスッキリしちゃった。
すべて聞き上手な優雨ちゃんのおかげだ。
そう、わたしは夕べ樹くんと楓くんとケンカしたことを、優雨ちゃんに残らず打ち明けてしまったんだ。
入れかわりのことも……。
「まさかあ、そんな話ってある~?」
