「確かにわたしは女の子だよ。だからって、男どうしとか、そんな言葉でごまかさないで。わたしだって心配してるのに、心配もさせてくれないの?」
ふたりの顔色が変わった。
わたしが怒っていることにやっと気づいたんだ。
今さら気づいたって遅いんだから!
「わたしが男の子だったら、仲間はずれにしなかった? わたしが男の子だったら、もっと頼りになった? わたしが男の子だったらケンカしなかった……?」
涙でかすむ視界の中で、ふたりの困った顔が揺れている。
「樹くんも楓くんも勝手だよ! もう知らない!」
「「理子!!」」
ふたりの声が聞こえたけれど。
わたしは涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、楓くんの部屋を飛びだした。
*
翌日、わたしはひとりで学校に行った。
樹くんと楓くんに会いたくなかったから、めずらしくいつもより三十分はやく家を出た。
