超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


「楓くん!」

「理子、口をだすんじゃねー。おれと樹、男どうしの問題だ。だろ、アニキ」

 樹くんも楓くんもキリキリと張りつめていて、眉の下のまなざしが刺し違えるかと思えるほど鋭かった。

 事故のせいでふたりが入れかわってしまっても、何も変わらなかった。

 ううん、以前とまったく同じようにふるまおう。

 三人でがんばろうって思っていた。

 けれど、それはわたしの思いあがりだったんだね。

 しょせん、わたしは蚊帳の外。

 何を言ってもムダなんだ。

 ふたりだけで決めてしまうんだ。

 わたしは悲しい気持ちで、すっくと立ちあがった。

「「理子」」

 とつぜん立ちあがったわたしに、ふたりは何事かとやっと目を向けた。

 こうでもしないと、わたしの話を聞いてくれない。

 いらだちがくやしさに変わっていくのが自分でもわかる。

「おっ、男どうしの問題って何?」

 わたしはキュッとゲンコツを握りしめた。