超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 楓くんは、わたしに何かあったんじゃないかと怪しんでいるみたいだ。

 困ったな。

 理由を話すわけにいかないし……。

「あ、うん、あのね」

 わたしは、迷いながらも口をひらいた。

「樹くんから相談があるってメッセージをもらったの。いまからそっちにおじゃまするところだったんだけど……」

「樹、おれにも相談があるって言ってたな。理子もよんだのか……」

 楓くんは胸の前で両腕を組む。

「フーン、それで?」

「それで、って……それだけだよ」

 すると、楓くんは、わたしの視界の真ん中に、自分の顔を持ってきた。

「ごまかすなよ、それだけじゃないだろ。ぜんぜん説明になってねーじゃん。なんか、あったんだろ? そのせいで、おれを見てびっくりしたんじゃねーのか?」