ちなみにわたしの容姿について、みんなからアレコレ言われるのは、今にはじまったことじゃなかった。
思い返してみれば、いちばん古い記憶は幼稚園のころ。
わたしたち三人は、いつもいっしょにいたので、ほかの園児の保護者から、きょうだいとよくまちがわれたんだ。
「理子ちゃんだけ、お兄ちゃんたちとちがうお顔ね」
「お父さん似かしら? あらあら、女の子なのに」
なんて、含みがありそうに言われることもしょっちゅうだった。
それは無理もない。
神さまがやっつけ仕事したんじゃないかな。
そう疑ってしまえるほど、わたしは地味な顔立ちをしているから……。
だから、こんなのはもう慣れっこだ。
ううん、慣れなくちゃ、って思うようにしているだけかも。
頭が良くて学校の成績もいい樹くん。
スポーツ万能で自信たっぷりな楓くん。
ふたりに対して、なんの取り柄がないわたし。
見た目もカンペキな幼なじみとくらべられるのは、さすがにつらい。
本当のことを言うと、ちょっぴりコンプレックスになっているんだ。