キーンコーンカーンコーン―――

「きりーつ、れーい」

「さよーならー」

ああ、ついに来てしまった。

地獄の放課後だ…。

「恋衣、あんた魚島のとこ行くんでしょ?」

心暖の言葉にしぶしぶうなずいた。

「かわいそー。
恋衣、魚島のこと嫌いなんでしょ?」

そう。

私は魚島先生のことが嫌いなんだ。

数学担当、隣のクラスの担任の魚島 穂貴《うおじま ほだか》先生は優しくて人気がある。

先生との相性が合わないというか、先生のキラキラオーラが苦手だから私はあまり喋らないけど。

でもよばれちゃったものは仕方がないや。

「じゃあ私、行ってくるね」

私はそう言って先生のクラスの3組をのぞきに行った。

「あ、日向さん」

先生はすぐに気づいてくれた。

「入っていいよ」

おそるおそる3組に入って先生の隣に座る。

3組には私たち2人しかいなくて少し不安になった。