『うん。
うちさ、今でも葉羽と文通してるんだけど、1番最初にもらった手紙なんか、恋衣の悪口が書かれててね。
しかもそれが色々あって恋衣読んじゃってさー。』

ま、葉羽からの話聞いてたら、一方的に恋衣が悪かったから今でも恋衣とは関ってないけど。

と、最後につけ加えていた。

でも、本当に日向さんが人をはぶくだなんて事するのだろうか。

ーー「私が…心暖をはぶいてるって…勘違いされてて…。」

今日、日向さんは確かにそう言っていた。

勘違い、なんじゃないか?

葉羽さんの勘違いなんじゃ…。

そう思って、日向さんのいる寝室のドアを開ける。

「えっ…まだ食べてるの?」

まだお茶わんを持ってる日向さんにそう言ってしまった。

もう食べ終わってる頃だろうと思ってたから尚更驚かされる。

「も、もう食べ終わるんだけどっ…あとちょっとだからっ…」

意外とマイペース…?

俺は日向さんのいるベッドに腰かけた。

「ね、日向さん。いつ俺に心開いてくれる?」

きょとんとした顔で俺を見つめる彼女。

「今まで言えなかったこと、言ってくれる?」

「今?」

「今じゃなくていいよ。でも、いつか。」

「…うん。そうだね」

田向さんの口角が少し上がった瞬間を、俺は見のがさなかった。