「日向一。
魚島《うおじま》先生が呼んでたけど行かなくていいのか?」

ああ、そうだ、魚島先生に呼ばれてたんだ。

「あとで行くから大丈夫。」

魚島先生は3組の担任で、私の委員会の先生でもある。

めんどいことはあとまわしっと。

「恋衣ちゃん、数学教えてほしいんですけどいいですか?」

つむちゃんがそう言ってこちらを向いた。

「うん、いいよ」

「こら、日向。
そんなことするなら魚島先生のところ行ってこい」

はあ? 何でよ。 意味わかんないし。

「私、つむちゃんに数学教えるんです。
別にいいですよね?」

「ちゃんと魚島先生には遅れてすみませんって言うんだぞー」

「はいはい。
で、どこがわかんないの?」

あいちゃんの言葉には一応頷いてつむちゃんにそう聞いた。