それから1時間たって、ようやく私は目を覚ました。

「日向さん。
もうあなたは十分頑張ったよ。」

「え、何?
急にどうしたんですか」

あわてて身体を起こすと、先生はさっきと同じところに座っていた。

「あ、おなかすいてない?
おかゆでも作ろうか?」

「別におなかは空いてないですけど」

「で、でも、何か食べといた方がいいから!
ゼリー?プリン?何か言ってくれたら買って来るよ」

先生はそんなことまで気にかけてくれてるのか。

「大丈夫だから。」

「でも――」

「それより、十分頑張ったって何?」

先生の言葉を遮って言うと、先生は私の目を見て話しはじめた。

「日向さんのこと、もっと早く気づいておくべきだったのに、気づけれなくて悔しいんだ。
日向さんが1人で抱えこんでるって知って、何でこんなにも世の中は不公平なんだよって思った。」