「ここ、どこ⋯」

涙声にならないように言ったことはそれだった。

「…俺の家。
学校で日向さん倒れたから、連れて来た」

先生の家か。

だからプリントが山積みになってるんだね。

「私、歩いたんですか⋯?」

「⋯お姫様抱っこ」

「⋯ええええええ!?」

「本当にごめん!
でもそうするしかなかったの!
でも星川先生以外には見られてないから!!」

「⋯星川先生に見られたんですか⋯!?」

「星川先生目の前にいたから⋯
本当にごめん!」

土下座の勢いで先生は謝ってくる。

「⋯いや⋯大丈夫です。
運んでくれてありがとうございました」

私が折れないと先生はずっと謝りそうだったから素直になってみた。

「⋯でも⋯急に倒れてびっくりした。
家で何かあった?」