目を覚ますと、初めて見る時計が12時3分をさしていた。

どこだろう。

保健室じゃないけど、部屋の中には机があって、プリントが山積みになっている。

身体を起こして、制服がシワになっていることに気づいた。

それにこの匂い、どこかで匂ったことがある。

優しくて少し甘い、この匂いは――

「日向さん…目が覚めたんだね。」

――魚島先生の匂いだ。

扉の向こうからこちらに来て私のいるベッドの上に座った先生。

「体調は?
どこか悪いところはない?」

「…ちょっと、あたまが痛い、です…」

本当のことと嘘がまざった。