「あ、⋯ちょっと⋯怪我しちゃって」

「大丈夫なの?」

魚島先生は耳のことを言ってる。

わかってる。

わかってるはずなのに⋯。

「⋯私⋯」

駄目だよ私、ここで泣いたら。

お母さんが投げたガラスのコップが、当壮馬のように蘇ってくる。

「⋯大丈夫じゃ、ないです⋯」

そのまま私の身体は後ろに傾いた。