「も、持って来ました…。」

私はおそるおそる机の上にそれをおいて自分の部屋に向った。

業衣ちゃんも歌衣くんも大学生で、1人暮らしをはじめたのに、私のことが心配だからと1週間前から戻って来てくれてたけど⋯。

コンコンコンッ。

「恋衣⋯」

「歌衣くん…。」

茉衣ちゃんと歌衣くんにも、限界が来てしまったらしい。

「恋衣、おいで。
耳のところ消毒してあげるから。」

歌衣くんの言葉に私は頷いて近づいた。

「恋衣。
キツかったら俺ん家においで。
無理しないでいいから」

――「キツいならキツいって言っていいのに」

――「泣きたいときは泣かないと、倒れちゃうよ?」

ああ、そっか。

私、先生に頼ってたんだね。