あ、そういうことか。

あわてて手鏡をなおして先生の方を見た。

「あ、」

「え、何?」

先生の目の下に1本抜けたまつ毛がついてる。

「ちょっと動かないでくださいね」

そっと手を近づけて指先でそれをやさしくつまむ。

「どうしたの?
何かついてた?」

「はい、まつ毛が」

「え、うそ、ありがとう」

素直に「ありがとう」なんて、すごく嬉しい。

かわいいところ見つけちゃった!

思わず笑ってしまいそうになって、あわてて感情をおさえる。

「今笑いそうになったでしょー?」

「ち、ちがいますからっ。
はやく印刷しましょっ」

先生のタブレットを借りて私の自学ノートの写真を1枚とった。