先生はそう言って職員室に向って歩きはじめた。

「――ん、恋衣ちゃん?どうしたの?」

「あ、ごめん。
ちょっとボーッとしちゃって」

どうしよう。 私。 このままじゃ…。

「そっか。
なんか恋衣ちゃん変わったね」

「え? 私?」

「うん。
先生と仲良くなってるし。
何かあった?」

なんかって、先生に抱きし――助けてもらった時のこと…。

「ううん。特になにもないよ?」

結花ちゃん、ごめんね。

でもいつか、きっと話すからね。

そう思って技術室の扉を開けた。