「私だって、笑えるなら笑いたいし」

「... え?」

しまった。つい言ってしまった。

「何でもないですから。
あ、議案書家で書いてもいいですか?
明日持って来ますから」

「今すればいいじゃん」

「いいです。家でしたいのでっ!」

リュックをかるって議案書と筆箱を手に持つ。

「日向さ――」
「さようなら!」

先生の声を遮って急いで3組を飛び出した。

そのまま部活に行こうと思って美術室まで走る。

私はもう、恋愛はしない。

なのにどうして。どうして私はドキドキしてしまったのだろう―――