午後2時半、温室から出ると外はもっと暑かった。
頭から燃えてしまいそうなほどの強い日差しと、体ごと燻されてしまいそうな熱気。
目の前に伸びる道に木陰はまったく見当たらず、地面も灼けている。
「これって屋外危険レベル、窒息しそうに暑い」
楓はバッグの中から折りたたみのつばの広い帽子を取り出してかぶった。
樹の首筋に薄く汗がにじむ。
「ホテルに行こうか」
「え?」
真夏の真昼間の唐突な誘いに楓がとまどうのも気にせず「暑いからさ」と樹は歩き出した。
駅のすぐそばにあるホテルに入り2階にあるセルフチェックイン機で樹は慣れた操作でチェックインを済ませた。
「前も来たことあるの?」
「うん」
屈託なく答える樹にいつ? 誰と? と聞きたいけど聞けず、楓はもやっとした気持ちをしまいながら樹のあとに続いた。
320号室。真っ白なベッドと木のインテリアでまとめられたダブルの部屋は清潔感があるおしゃれな雰囲気で、ここに他の女性と来たのだろうかという疑念がまたよぎり、楓は頭を振って思いを散らした。
「楓、先にシャワー浴びてきたら?」
「あとでいい」
「じゃあ先に浴びてくるね」
パタンとバスルームの扉が閉まると静かな部屋にすぐにシャワーの音が低く響く。
楓は緊張してきた。
ホテルに来たのだから<する>のだろう。
楓の誕生日に初めてそういう関係になった。
だから別に初めてではないのだけど、あれから樹はすぐにアメリカに行ってしまって帰国してからはまだしていない。
つまり樹と楓はまだ1度しかセックスしていなくて、あれから1年以上経っているわけで、だから初めてと変わらないくらい楓は緊張していた。
さらにあのときは自然な流れでそうなってその後シャワーを浴びたから、シャワーを浴びて準備するパターンは初めてだ。
頭から燃えてしまいそうなほどの強い日差しと、体ごと燻されてしまいそうな熱気。
目の前に伸びる道に木陰はまったく見当たらず、地面も灼けている。
「これって屋外危険レベル、窒息しそうに暑い」
楓はバッグの中から折りたたみのつばの広い帽子を取り出してかぶった。
樹の首筋に薄く汗がにじむ。
「ホテルに行こうか」
「え?」
真夏の真昼間の唐突な誘いに楓がとまどうのも気にせず「暑いからさ」と樹は歩き出した。
駅のすぐそばにあるホテルに入り2階にあるセルフチェックイン機で樹は慣れた操作でチェックインを済ませた。
「前も来たことあるの?」
「うん」
屈託なく答える樹にいつ? 誰と? と聞きたいけど聞けず、楓はもやっとした気持ちをしまいながら樹のあとに続いた。
320号室。真っ白なベッドと木のインテリアでまとめられたダブルの部屋は清潔感があるおしゃれな雰囲気で、ここに他の女性と来たのだろうかという疑念がまたよぎり、楓は頭を振って思いを散らした。
「楓、先にシャワー浴びてきたら?」
「あとでいい」
「じゃあ先に浴びてくるね」
パタンとバスルームの扉が閉まると静かな部屋にすぐにシャワーの音が低く響く。
楓は緊張してきた。
ホテルに来たのだから<する>のだろう。
楓の誕生日に初めてそういう関係になった。
だから別に初めてではないのだけど、あれから樹はすぐにアメリカに行ってしまって帰国してからはまだしていない。
つまり樹と楓はまだ1度しかセックスしていなくて、あれから1年以上経っているわけで、だから初めてと変わらないくらい楓は緊張していた。
さらにあのときは自然な流れでそうなってその後シャワーを浴びたから、シャワーを浴びて準備するパターンは初めてだ。
