……あぁ、なんで忘れてたんだ……。

忘れてなかったら、俺は……。

「さ、大鏡が開けてくれたこのゲートでっと。……あ、言い残すことある?」

まあまあ重いはずの俺のことを軽々と持ち上げて、笑顔だけど笑顔じゃない笑顔でそう聞いてくる。

「……ごめん、拓……」

「あー、はいはい。そーゆーのは下でもできるからっさ」

その言葉を最後に、あかずは俺の視界から消えていった。



「ふ、フシギちゃーん……僕が言葉遣い悪かったのはレオン様には言わないで……」