君のそばにいたい 〜『君が望むなら…』続編〜

 彼とともに生きると決めるのも、それは私の自由。
 私はそれを彼のおかげで気付いた。
 私のために変わってくれた、彼のおかげで。

 私の好きになった、彼のおかげで……


 私は立ち去ろうとする彼を急いで呼び止める。

「カイト、行かないで!!……こんな私でも、もう一度貴方とやり直せる?」

 必死な私。

 彼はこちらに振り返り、とても嬉しそうに笑みを浮かべた。

「ああ、アネア……!! 僕を望んでくれるなら、君とともに行くよ。今度こそ、想いを通じあわせて君と進もう!」


 
 ある日の真昼。

 老婆ではない質素な姿の私と並んで歩く、シードの姿の彼。

 街で出会った彼の仕事相手が尋ねる。

「シードさん、しばらく見なかったね。おや、ずいぶんな美人を連れているが、あんたが好いていたあのアギー婆さんは?」

「ああ。……アギーは亡くなってね……彼女は孫娘なんだ。悲しみに暮れていた僕は彼女の強さと優しさにとても救われてね、一緒になろうと決めたのさ」

 カイトはターバンに半分隠れた顔で、そう穏やかに笑った。


 私は自分の決めた道を生きる。
 彼がともにと望んでくれるなら、それは二人で進む道になるのだろう。

 私は生まれ変わって今度こそは、自分の決めた彼と生きていく。

 この先にどんな困難が待ち受けようと、私を望んでくれた彼と互いを想い続けられる、そのかぎり……