…なんだか、夢の世界にいるみたいだなあ。気分がふわふわしていて、夢見心地。
ふうっと一息ついて、席につくと綾瀬くんとぱちっと目があった。
(あ、綾瀬くんにも結果報告しなくちゃ…っ!)
勢いよく答案用紙を見せて、点数を指差す。
「ーーーあ、」
ありがとう。
そう言葉で伝えたかったけれど、ここは学校。人目がたくさんあるから、私と綾瀬くんに何か関係があるなんてバレてしまったら大変。
だから、
「『あ』『り』『が』『と』『う』」
口パクで、そう伝えた。
(伝わったかなあ……?)
不安だったけど、
「『ど』『う』『い』『た』『し』『ま』『し』『て』」
たぶん、そう言っていた気がしたからひと安心。
ーー気のせいかな。
綾瀬くん、ちょっとだけ優しく笑ってたの。
ー見間違いかな?



