◇◇◇
「……いくよ、胡桃」
「うん、いいよ希ちゃん」
ごくり、喉を鳴らして2人でアイコンタクトを取ってからコクっと頷く。
「「せーのっ」」
ーーばっ
「お、やった。点数上がってる。胡桃は?」
「か、かかか…」
「かかか?」
「か、過去最高得点……」
なんとびっくり。テストの点数がとっても上がっていた。
いやいや、だっていつも50点~60点をさ迷っている私がーー
「はちじゅってん……?」
これは夢……?
だけど何度も何度も見返してもその数字は変わらない。
「えっ、あの胡桃が?」
「…何か失礼なこと言ってない……?」
“あの”って、どの…?
いや、今はそんなこと放っておいてもこの点数がすごい。きらきら輝いてるもん。
「…うそでしょ……」
今回、綾瀬くんに勉強を教えてもらったから少しばかりは自信があったものの、あまりの点数に言葉が出ない。
「胡桃、何かしたの?」
「これはねっ、綾瀬くんが…」
ーここまで言ってはっとした。
「え、綾瀬くんが何!?
なんで胡桃と綾瀬が……!?」
私がぽろっとこぼした言葉に目をキラン、というよりギラ、と光らせた人がひとり。
相当困惑しているのか、肩をガシッとつかんでブンブン揺らされた。
…め、目がまわる……。



