クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。





◇◇




「ふあ…ねむい…」



今日は土曜日。つまり休日。



階段を下りながら休日の真っ昼間だというのに大きなあくびをかく私。ちょっと勉強を昨日遅くまでしてしまったからなんだけど。


テストがすぐ間近にあることに焦って焦って、机にべったりかじりついてた。


……まあ、数学だけはこれっぽっちも分からなかったけどね。


眠すぎて涙がこぼれた目をごしごしと擦ると、ソファーに人影が見えた。




「…っえ、綾瀬くんだ」



「…いるけど、悪い?」



「め、滅相もございません…」



「………」


「………」




…き、気まずい。どうしよう、この状況。



この状況というのは、ソファーに綾瀬くんと、リビングテーブルに水を飲みながら腰かけている私の状況のこと。





「…何、してたの」


「え?」


「…昨日夜遅くまで、何してたの」



すごいクマ、と付け足して言う綾瀬くんに急に話題を持ちかけられてびっくりして目をぱちぱちしてしまう。



「あ、えっと、テスト勉強してたの」


「…テスト」


「うん。今度のの期末テストの。もう少しでしょ?結構範囲広いよね。ピンチかも」




あまり気まずい空気になりたくないから、あはは、と笑い飛ばす。