◇◇
「…うん。今日はよくドジ能力を発動する日だね」
「ほんと、その傷どうしたのよ」
「え、どの傷?この傷?それともこの傷?」
「……重症ね」
「えへへ、どうも」
「褒めたつもりはないわよ」
へこむよりも開きなおって、左の膝と前髪で隠してあった額の傷を指差すと、希ちゃんに呆れた目で傷を見つめられた。
ちなみに膝の傷は、朝登校していた時に転んだもの。額の傷は、電柱でぶつけたものだ。
「ドジなのは可愛いけど、ドジすぎても心配だわー」
「わっ」
ぎゅーっと労るように抱き締められる。やっぱり、希ちゃんはお姉ちゃんみたいで、居心地が良いなあ。すごく落ち着くんだもん。
額の傷が隠れるように、手鏡を見ながら前髪を整えていると、
「…あれ、この指の絆創膏はどうしたの?」
なんだか可愛い柄ね、と言われてそこに目を向けた。
「…あ、えっと…」
これは……。



