しかし、
一時間が過ぎ、ニ時間が経っても原因が掴めない、
時刻は夕方六時を回っていた。

「麻理さん、少し休憩しませんか?」

「うん、そうだね一回頭をリフレッシュしないと、解決の糸口が全く見えないから」


一旦席を外して休憩室に入った、

「麻理さん、アイスコーヒーでいいですか?」
「うん、君嶋くんありがとう」

彼女にカップを手渡しながら、
「うちのグループ以外は関係ないと思って皆んな帰っちゃいましたね」

「しょうがないよ、反対の立場だったら私も帰るから。それに残ってても何の力にもなれないし」

「僕も役に立てなくて済みません」

「まだ入社一年目だからね、別に気にしなくていいよ」

こんなに頑張っている麻理さんの力になれない自分が情けなくて、
「麻理さん、僕にできる事は何か無いですか?」

「うーん、じゃあ、このトラブルが片付いたら二人で打ち上げしよっか、付き合ってくれる?」

「そんな事でいいなら、いつでも付き合いますよ」
彼女はニッコリと微笑んで"楽しみ"と言った。


再び、端末の前に座った麻理さんは、
真剣な眼差しで画面を見つめ始めた、

両肘を着いて、顔の前で指を絡めて考え込む。

彼女のそんな仕草は、見ていて飽きない。

やがて独り言のように、呟き始めた。
「プログラムが受信状態にならないと、レスポンスは帰らない。
ってことは受信状態になってないんだ。
受信状態にならないのはプログラムが他の作業をしてるからか、、何をしてるんだろう。
ログから直前の動きを探ると、乗車チケットをプリンターに印字してる事がわかる、と
印字の途中で用紙が無くなって一時中断した、
用紙をセットして印字を再開と、、
でも印字が終了しても、受信状態に変わってないか、、なんでだろ」

「・・・・」