鬼の子






「・・・・・でも、それって他のクラスから苦情来ないかな?」

心の中の不安を声に出した。私への誹謗中傷が、今度はクラス全体に向けられるのではないかと不安だった。弱々しい口調で聞く。


「あー。だよね」
「そりゃあ、苦情くるよな」

私の言葉に、うんうんと頷きながら、さっきまでの活気溢れた空気は、一変してどんよりと暗い空気に変わった。


自分で言ってしまったけれど、心のどこかでガッカリしている自分がいることに気付いた。


そんな自分に「私、球技大会に参加したかったんだ」と実感させられた。


今まで参加しない事が当たり前だったのに、綱くんの呼びかけで参加出来るかもしれない、と淡い期待を抱いてしまった。

そして、自分の本当の気持ちを知ってしまった。

知ってしまったところで、どうすることも出来ない。